その「栗蒸し羊羹」は 私がそれまで食べていた長方形のビニールとか銀紙に包まれた練り羊羹にちょんもり栗が入った「栗羊羹」とは全く異なって まず、様相が竹の皮に包まれて いかにも手で形作ったような素朴なものでした。そして大きな丸ごとの栗がゴロンゴロンと入っていたのです。
しかし、なにより大きな違いはその羊羹自体の生地の歯触り。いままで食べたことのない むっちりとして甘さ控えめの美味しさでした。蒸し羊羹と練り羊羹では作り方が違うのですが どうやら私はその時まで ちゃんとした蒸し羊羹を食べたことがなかったのではないかと思います。
その大いに気に入った羊羹。友人の話では 「製造元の社長が品質の落ちるのを嫌ってデパート等への出品を控えており 石川県に行かなければ手に入らない。」ということで 名前も忘れてしまった私としては幻の逸品と相成ったわけです。
その後 年月は流れて 私は栗蒸し羊羹の作り方を知るにいたり なるほど!だから歯ごたえが違うんだ、ということを思い知りました。練り羊羹は寒天で固めるもので 蒸し羊羹はくず粉等デンプンで固めるのです。それが歯ごたえの違いらしいです。
さて、先日思い立って この幻の栗蒸し羊羹をググッてみました。ワードは「石川県 栗蒸し羊羹」。
すると、なんと あっさり出てきました。石川県で栗蒸し羊羹と言えば この月よみ山路一本らしいです。20年前に食べたっきりですけど、確かにこのお姿でした。
ついで分かったことは その後経営方針に変更があったのかなかったのか 今ではどうやら有名デパートで買えるようです。それとも余りの美味しさに私が勝手に幻にしていたのかしら(笑)
ついでに通販でも手にはいるようになりました。月よみ山路通販サイト
速攻 お取り寄せしました。懐かしいお姿と味(涙)。今ではいろんな所で手にはいるようになったけれど 良い品質を求める経営方針は変わらないようで 原材料が凄いんです。
「栗 小豆 白双糖 本葛 クチナシ色素」とこれだけ!本葛のみで固めて 添加物一切なし。美味しいはずです。
栗蒸し羊羹作り方:
- あんこ250g 栗の甘露煮の汁大さじ1 本葛20gを少量の水で溶いたもの(無ければ小麦粉20g片栗粉4gで代用可) 塩少々 好みで砂糖 或いは水 を耐熱容器に入れ混ぜる。
- ラップをしてレンジに三分かけ、出して混ぜる。これを一通り火が通るまで繰り返す。
- 甘露煮の栗14個を混ぜる。
- 竹の皮(中華ちまき用等で市販されている)にのせ形を整え包む。(竹の皮が無ければ 細長い耐熱容器に入れラップするだけでもOK。
- 割り箸を下に挟み 熱がよく通るようにして レンジに一分かける。
写真は私が月よみ山路を真似て 竹の皮でくるんで作った栗蒸し羊羹ですv。
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